楽景blog -あんな事やそんな事-

庭師の仕事のあんな事やそんな事を書いていきます

露地 完成はしてないけどね


そろそろ梅雨に入るそうです
6月は黙ってても仕事が入ってくる繁忙期!
合羽が嫌~な臭いを放つ程酷使する悪条件の時期でもありますが
雨にも負けずで頑張りましょう!


さて、さてさて!
ようやく予定の工事が完了致しました(ハイ拍手!)
まだ2期工事が残っていますのでね、完成ではないんですけどね


きっと堅苦しく書くと読む気が失せると思うので
緩くザックリと、露地とこちらの庭のご説明をしたいと思います~
楽景的な解釈ですのでね、そんな感じでお読みくださいませ


早速、前置きをザックリ省いてw
茶事に”禅”が取り入れられてから、茶室に入り茶事をする目的は”浮世からの解脱”
露地(茶室に続く庭)は茶室に入るまでの準備をする為の道すがらです
言ってみれば修業の場なので、奇抜なアイデアや斬新なデザインは不要な訳です
今回の作庭のテーマは”謙虚”
殺風景で全ての物が主張しない庭っていうイメージです


まずは入り口から


玄関のすぐ脇で露地の手前に当たる場所です
ここはまだ”浮世”
露地と雰囲気を変えたかったので仲間に飛石を据えてもらいました
イイ感じです


ここからが露地です

浮世から延べ段までの飛石は少々歩きにくくしてあります
日常の浮ついた心、みたいな感じです


延べ段のアップが無い上に白が飛んじゃって分かりにくいですね(汗)
カメラの使い方分からない…


延べ段は飛石の不安定さからフッと息をつくための場所です
息をつくことで気持ちを切り替え、茶室に向かう意識を高めます
(右上に見える長椅子は仮置きで待合を作る予定
大工さんの予定が合わず保留になっている2期工事予定地!)


まだ無い待合から茶室に向かいます


茶室の扁額(へんがく)は奥様の作品!(驚)


蹲踞は客人からは手を清め口をすすぐ為の物
亭主からは水を抜き、中を洗い、新しい水を入れておくという修業の場所
筧という水を入れる為の竹で出来た水道を付けることが多いですが
修業の場所なので本来は蹲踞に筧は付かないんですよ
奥様にも「付けませんよ!」とご了承頂いたものの
お茶の先生からは「あら大変ねぇ頑張って~w」と言われてしまい困惑気味でしたw


茶室の入り口になる躙り口(にじりぐち)
その前にあるのは踏石(ふみいし)で、沓脱石(くつぬぎいし)と役割は同じ
ですが茶室の場合、踏石と呼びます


その右にある穴は塵穴(ちりあな)というもの
ゴミ箱ですね
とはいえ、実際にゴミを入れるものではなく
ゴミとなるもの、この場合雑念や身分、地位などを捨てるもの
亭主側からは、この庭は掃き清められていますよという合図で
切った枝や枯れ枝などを飾りとして入れておきます
雨の日の蹲踞の代用としても使われる様ですが


”修業の場なら傘をさして蹲踞に向かいなさい”


というのが楽景の考え
雨の日だからこそ想う事もまたあるのではないかと思う訳です


とこんな感じに


飛石で心を整え、蹲踞で手と口を洗い、塵穴に余計なモノを掃い、真っ新な状態で茶室に入るというのが露地の流れ
大きな露地では雪隠(せっちん)といって、実際には使わないトイレが設置されることもあり、とにかくきれいな身体に!
というのが露地の役割なんですね


このように役割を持った庭なので余計なものはいらない訳です
なんていうか”引き算の美意識”っていうのかな
そういったものが”侘”に繋がるんじゃないでしょうか
現代的な生活をしていてはなかなか届かない思想なのかもしれないけど
茶事や庭を通じて輪郭くらいは捉えることが出来ると思うんですよ
その出来る限りを庭で表現するという、まったく良い仕事に就いたもんです(誇)


2期工事も残ってるし、まだ新品ピカピカです
実際に庭になるのは2年以上経ってからとお客様にも説明しています
木はそこに合った形に成長するし、苔も剥げるところができるし、石はずっとそこに有ったような顔をするようになります
そして何より、持ち主の接し方で雰囲気が作られるもので
今後、この庭がどんな風に変化していくのか楽しみです


結局まじめな話になってしまう、意外と真面目な楽景の露地のお話しでした
ではまた



HP  http://www.rakkei.com




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